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サラリーマン奴隷のふとしたことを

ジョニーウォーカーのように歩く

ある6月の日の会社での昼休み。同期入社のいつもの3人で昼飯を食べにオフィスを出る。オフィスの近場で、安くて美味しい店は少ないので、歩いて10分ほどのいつもの中華料理屋を迷わずに目指す。外は弱い雨が降っていてアスファルトや街路樹を濡らしていた。
「雨の日、傘を差しても、どうしても太ももの正面が濡れてしまう。どうしたら濡れずに済むだろうか?」
私はかねてからの雨の日のイライラの原因を友人にたずねてみた。
「俺はそんなに濡れないけどな。」
友人Yはそんなこと、これまで悩んだこともないという風に言う。
ジョニーウォーカーのように歩けば濡れないのでは?こんな風に。」
友人Kは膝を曲げずに背筋を伸ばして足早に歩いてみせ、コミカルなその動きに皆で笑いあう。
ジョニーウォーカーは別に膝を曲げずに歩いていたわけではないと思うけど、何となく分かるよ、そんな風に歩いていたのでは?って想像してしまうね。」
私はそう答えて、たまに友人Kのジョニーウォーカー風な歩き方を真似して中華料理屋まで笑いながら歩いた。


月日が経つのは早い。その6月の日というのもたぶん、今から2年半前の出来事だ。よく通ったその中華料理屋が閉店してしまったことを今日、知った。美味しい中華粥が食べられ、料理の殆どに、ほのかに香草の匂いのするシンプルな料理を出す良い店だった。